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新橋駅周辺M&AのBCP実務|帰宅困難者・浸水・津波・備蓄を72時間つなぐ

2026 9/08
コラム
2026年8月23日2026年9月8日
新橋駅周辺のM&Aで帰宅困難者対策と72時間BCPを引き継ぐ防災担当者

新橋 M&A BCPで承継すべきものは、防災計画という名前のPDFではありません。地震、豪雨、津波警報、液状化、停電、鉄道停止が起きたとき、新しい責任者が在館者を守り、駅周辺の混乱へ人を送り出さず、重要業務を縮退して72時間つなぐ実行能力です。

2026年7月に港区の洪水・雨水出水ハザードマップ情報が更新され、2026年1月には東京消防庁が『職場の地震対策』を発行しています。本稿は2026年8月23日を基準に、新橋、東新橋、西新橋の住所・階・設備へ公的一次資料を重ね、M&AのDD、最終契約、Day1、Day100へ翻訳します。

72時間を切らさない五つの原則

  1. 対象住所、階、地下利用、設備、通勤経路を最新ハザード資料へ重ねる。
  2. 一斉帰宅抑制、在館者点呼、3日分備蓄を勤務形態と来客込みで再計算する。
  3. 建物・テナント・行政・駅周辺協議会の情報と権限を接続する。
  4. 重要業務、外部依存、個人情報、保険を発災0分から72時間の記録へする。
  5. Day1からDay100まで新体制だけで段階訓練し、未達を経営課題として閉じる。
目次

M&A前後のBCP証拠連鎖

局面 必要な事実 引継ぐ権限 成功の証拠
署名前 住所別危険・責任者・備蓄現物 限定閲覧と質問権 DD証拠番号
契約 不足・責任・是正・保険 条件・補償・投資権限 契約配賦表
Day1 名簿・連絡・指揮・アクセス 緊急委任と旧権限失効 切替試験ログ
0~72時間 安全・待機・縮退・復旧 代行順位による判断 時系列判断簿
Day100 複合シナリオの未達 経営会議の是正承認 72時間演習記録

防災計画はファイルを受け取るだけでは機能しません。対象住所の危険、建物全体とテナントの役割、在館者、備蓄、連絡、重要業務、代替手段を、発災からの時間に沿って接続します。買収前の確認と発災時の個人情報利用を分け、平時に権限と連絡先を試験しておくことが必要です。

1. BCPを保有文書ではなく意思決定能力として評価する

譲渡企業が立派なBCPを提示しても、責任者が退職し、連絡先が古く、備蓄の所在が分からず、重要業務の復旧順が社員に伝わっていなければ買収後には機能しません。逆に簡潔な計画でも、現場が役割を理解し、訓練と改善を続けていれば実行力があります。DDでは版数、承認日、訓練、是正、代行順位を一続きで確認します。

公的資料の位置付け:内閣府は事業継続を経営レベルの戦略的課題として位置付け、東京消防庁は事業所防災計画の作成と具体的な任務・設備・訓練事項を案内しています。 公的な雛形へ記入しただけで対象会社の復旧能力が証明されるわけではありません。

発災前に固定する数字|BCP実行成熟度票

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
計画 最新版・承認・配布先 使用版を特定 版面と承認記録
責任者 主担当・代行順位 在館可否で交代 連絡試験ログ
訓練 シナリオ・参加者 未訓練機能を保守判定 訓練記録
是正 課題・期限・予算 未了を引継ぐ 完了証拠
経営判断 停止・再開基準 人命優先で承認 時系列議事録

M&Aでは計画をデータルームへ置くだけでなく、譲渡企業責任者がいない前提で机上訓練を行います。買い手側の指揮命令と対象会社の現場役割が衝突する場合は、Day1前に単一の指揮系統を決めます。 計画値と現物を同じ日付で撮影し、差分に期限を置きます。 新橋駅周辺は複数ビル・外出社員・来客が同時に関わるため、会社単体の文書とビル防災センターの運用を接続します。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 署名前に最新版、旧版、訓練記録、是正表を比較する。
  • 買い手責任者を加えた代行順位を設計する。
  • Day1前に連絡・集合・停止判断の机上訓練を行う。
  • 重大未了は契約条件又は100日予算へ割り付ける。
  • Day30に新体制だけで再訓練し記録を閉じる。

判断の停止線:文書の存在、認証、過去の無事故だけから実行力を合格にしません。 この章で完成させる証拠:版数、責任者、訓練、是正、再開権限を一枚で追うBCP実行成熟度票。

2. 新橋・東新橋・西新橋を住所と階でハザード照合する

同じ新橋駅周辺でも、地盤高、地下空間、沿岸側との位置関係、建物構造、設備階、避難先が異なります。町丁目全体を一色で判断せず、住居表示、建物、階、地下利用、受変電・通信・備蓄の配置を最新ハザードマップへ重ねます。ハザードが低く見える住所でも、社員の移動経路や取引先が別区域を通るため、拠点外依存も確認します。

公的資料の位置付け:港区は浸水、津波、液状化、揺れやすさ等のハザードマップを公開し、2026年7月には洪水・雨水出水ハザードマップの情報面を更新しています。 地図は想定条件に基づく予測であり、個別建物の被害、避難可能性、操業停止時間を保証しません。

最初の判断分岐|住所・階・設備ハザード重ね図

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
住所 住居表示・座標・入口 公式地図で照合 地図保存
地下 地下室・地下通路・設備 早期停止を判定 配置写真
上階 避難・備蓄・執務可能性 安全確認後に移動 収容計算
重要設備 電源・通信・ポンプ 浸水前停止を検討 系統図
通勤経路 主要経路の匿名集計 一斉移動を抑制 経路別注意

対象会社の全拠点・倉庫・サーバー・重要取引先を住所単位で並べ、同じ危険へ集中していないかを確認します。買収後に統合して集中度が上がる場合、削減賃料だけでなく代替拠点費を評価します。 安全確認ができなければ事業再開より人命保護を優先します。 新橋駅西側の地上拠点と東新橋の地下接続拠点を同じ避難・設備配置にせず、地下から地上・上階へ移る判断を別にします。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 対象地点を住所・階・入口・設備位置へ分解する。
  • 確認日付きの公式ハザード資料へ重ねる。
  • 社員、来客、設備、重要記録への影響を分ける。
  • 統合前後の集中度と代替拠点を比較する。
  • 更新時に差分を見直す担当者を置く。

判断の停止線:区全体の印象、過去被災の有無又は隣接建物の評価を対象区画へ転用しません。 この章で完成させる証拠:住所、階、設備、避難先、依存先を結ぶ住所・階・設備ハザード重ね図。

3. 2026年7月版の浸水情報を設備停止と垂直移動へ変換する

港区の最新ページは、想定最大規模降雨として総雨量690ミリメートル、時間最大雨量153ミリメートルの条件を示し、2026年7月の更新では防災気象情報と雨水出水の扱いを反映しています。M&Aでは数値を記事へ転記して終わらず、地下在庫、サーバー、配電、書庫、車両をいつ停止・移動するかへ翻訳します。

公的資料の位置付け:港区は洪水・雨水出水ハザードマップで予想浸水区域・深さと避難所を示し、今回の情報更新で従前の区域・深さ自体に変更はないと説明しています。 想定雨量は個別降雨の予報ではなく、地図の着色だけで建物内部の流入経路や防水性能は分かりません。

譲渡企業から受け取る証跡|降雨・浸水トリガー表

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
気象情報 公式情報源・通知方法 監視開始を宣言 受信ログ
地下設備 止水板・ポンプ・電源 安全に停止・上階化 操作記録
文書在庫 位置・量・優先順位 移動又は廃棄を判定 移動写真
出入口 流入箇所・閉鎖手順 顧客案内を切替 閉鎖時刻
再開 点検項目・衛生・電気 専門者確認後に再開 点検承認

譲渡企業の止水設備を資産として評価する場合、設置写真だけでなく訓練、保守、必要人数、保管場所、夜間担当を確認します。不足費用は過去責任と買い手の強化投資に分けます。 署名済み文書だけでなく、直近訓練と実際の連絡結果を見ます。 地下通路に近い拠点では外部施設の閉鎖情報も営業判断へ影響するため、自社入口だけを監視対象にしません。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 最新地図と対象建物の流入経路を現地で照合する。
  • 停止・上階移動の対象と優先順位を決める。
  • 気象情報ごとの判断者と連絡先を登録する。
  • 止水・移動・顧客案内を雨天訓練で試す。
  • 再開前の電気・衛生・構造確認を記録する。

判断の停止線:想定最大規模降雨の数字を発生確率、対象会社の損害額又は復旧日数へ直接変換しません。 この章で完成させる証拠:公式情報、監視開始、設備停止、移動、再開判定を時系列化した降雨・浸水トリガー表。

4. 津波・液状化を沿岸側拠点と避難ビル単位で確認する

港区の津波ハザードマップは、防潮施設が健全な場合と機能不全の場合、液状化による地盤沈下条件を分けて予測しています。新橋三丁目の生涯学習センターも津波避難ビルとして掲載されていますが、全ての社員がそこへ直ちに移動すべきという意味ではありません。現在地、警報、建物安全、経路混雑を踏まえた判断が必要です。

公的資料の位置付け:港区は沿岸部の液状化や防潮施設の条件を考慮した津波マップと津波避難ビルを公表し、警報時の情報収集・避難を案内しています。 避難施設の掲載は常時利用、収容保証、全災害に対する安全又は特定経路の通行可能性を保証しません。

買い手が再試験する項目|津波警報・上方避難判断カード

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
現在地 住所・階・在館人数 屋外移動可否を判定 点呼記録
警報 公式発表・受信手段 上方避難を発令 受信時刻
建物 構造・避難階・管理指示 建物内待機も比較 防災センター記録
経路 階段・出口・混雑 危険経路を閉鎖 誘導記録
解除 公式解除・建物点検 段階的に戻す 解除承認

M&Aの統合計画で沿岸寄りの機能へ集中させる場合、通常時の効率と非常時の代替を同時に測ります。高層階へ移すだけでは、電源・通信・水・トイレがなければ重要業務を続けられません。 旧担当者の記憶に依存せず、新体制だけで実行できるか確かめます。 東新橋側、地下経路利用者、新橋三丁目側では避難判断が異なる可能性があるため、会社全体へ一つの集合場所だけを示しません。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 津波マップの複数条件を対象住所で確認する。
  • 建物管理者の上方避難・退館ルールを取得する。
  • 階段、避難階、歩行支援者、備蓄を実査する。
  • 警報受信から点呼まで机上・実動で訓練する。
  • 解除後の安全点検と帰還権限を明記する。

判断の停止線:津波避難ビル一覧又は地図の色だけで、避難経路、収容、建物継続使用を断定しません。 この章で完成させる証拠:現在地、警報、上方移動、点呼、解除を役割別に示す津波警報・上方避難判断カード。

5. 揺れ・液状化・室内転倒を別の被害経路として点検する

ハザードマップ上の液状化可能性と、オフィス内の家具転倒、天井、ガラス、書庫、サーバーラック、厨房器具による危険は別問題です。建物が使用可能でも、通路が塞がり、負傷者対応や電源停止で事業が止まることがあります。M&Aの現地調査では、構造専門家の領域とテナントが直せる室内対策を分けます。

公的資料の位置付け:港区は液状化・揺れやすさの地図を公開し、東京消防庁の2026年版『職場の地震対策』は家具類の転倒・落下・移動防止、危険物、火気、避難、資器材等を挙げています。 地図と目視だけで建物の耐震性、構造被害又は継続使用可否を判定せず、必要に応じ所有者・専門家へ確認します。

72時間後へ残す記録|室内安全・継続使用チェック

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
家具書庫 固定・高さ・配置 通路を優先確保 点検写真
ガラス天井 飛散・落下対策 危険区画を閉鎖 閉鎖図
機器 ラック固定・自動停止 安全確認後に復旧 機器ログ
火気危険物 遮断・保管・責任者 初期消火と退避 操作記録
継続使用 建物判定・余震情報 権限者が決定 判定通知

設備更新費は、従前から必要だった安全是正と、買い手が追加するBCP強化を分けます。現場写真を契約添付資料と結び、クロージング前に譲渡企業が直す範囲を曖昧にしません。 判断時刻、根拠情報、承認者、未確認事項を時系列で保存します。 狭い区画で高い棚を使う事業や、顧客が多い会議・店舗用途では、同じ揺れでも避難通路と在館者保護の重点が変わります。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 液状化・揺れ地図と建物資料を確認する。
  • テナント内の転倒・落下・移動危険を撮影する。
  • 即時是正、専門調査、買い手投資へ分類する。
  • 地震後の立入・継続使用権限を建物側と合意する。
  • 新レイアウト完成後に避難通路を再点検する。

判断の停止線:築年、外観、耐震表示又は周辺無被害の経験だけで安全性を保証しません。 この章で完成させる証拠:建物情報と室内危険、是正、立入判定を分離した室内安全・継続使用チェック。

6. 新橋駅周辺滞留者対策との接点を会社計画へ持つ

大規模災害時には駅周辺へ多くの人が集まり、鉄道会社、行政、駅周辺事業者、一時滞在施設が連携します。港区は駅周辺滞留者対策推進協議会を支援し、新橋駅周辺協議会の訓練を踏まえた民間一時滞在施設マニュアルも公開しています。対象会社が協議会や施設運営に関わるかを確認し、関わらない場合でも公式情報の受信・来訪者案内を準備します。

公的資料の位置付け:港区の帰宅困難者対策ページは、主要駅の協議会が地域被害情報の提供や一時滞在施設への誘導を実施し、駅周辺の混乱防止を図ると説明しています。 近隣に一時滞在施設があることは、自社従業員・来客の受入保証や移動指示を意味しません。

取引条件への戻し方|駅周辺連携・情報受信表

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
協議会 加入・連絡先・役割 連絡可否を確認 連絡試験
行政情報 受信チャネル・代替 公式情報を優先 受信ログ
鉄道情報 複数社の運行情報 一斉移動を止める 判断時刻
一時滞在 施設一覧・開設情報 開設確認後に案内 案内記録
来訪者 保護・情報提供・点呼 従業員と分けて管理 受付名簿

譲渡企業が地域連携の窓口を個人で担っている場合、連絡網、会議資料、訓練、代行者を会社資産として引き継ぎます。加入資格や個人連絡先は主催者へ変更方法を確認します。 不足を価格だけへ集約せず、是正、条件、補償、投資へ分けます。 駅前拠点では顧客や通行者から避難先を尋ねられる可能性があり、未確認の施設へ誘導しない案内文を用意します。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 協議会・ビル・行政・鉄道の連絡先を役割別に整理する。
  • 譲渡企業担当者しか知らない手順を文書化する。
  • 公式情報の受信と社内配信をテストする。
  • 来訪者向けの待機・案内・記録方法を決める。
  • 地域訓練へ新体制で参加し課題を更新する。

判断の停止線:ウェブ上の施設一覧、平時の開館又は近さだけで、災害時の開設・受入を前提にしません。 この章で完成させる証拠:地域機関、受信手段、社内判断、来訪者案内を結ぶ駅周辺連携・情報受信表。

7. 一斉帰宅抑制を就業規則と現場判断へ落とす

鉄道停止時に社員が各自帰宅を始めれば、駅や道路の混乱に巻き込まれ、救助活動の妨げになり得ます。東京都帰宅困難者対策条例は事業者による一斉帰宅抑制や備蓄等の枠組みを設けています。M&A後に親会社の全国ルールを機械的に適用せず、新橋の在館者、夜勤、出張者、育児・介護、障害、薬の必要性を考慮した待機・帰宅判断を整えます。

公的資料の位置付け:東京都は発災後の従業員等の施設内待機、3日分の備蓄、安否確認や情報提供を事業者向け資料で示しています。 施設が危険な場合まで待機を優先する趣旨ではなく、安全確認と個別事情を踏まえた判断が前提です。

発災前に固定する数字|待機・帰宅例外判断簿

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
施設安全 建物判定・火災・浸水 危険なら避難 判定通知
交通 公式運行・道路情報 むやみな移動を抑制 情報時刻
個別事情 支援・薬・家族事情 必要最小限で配慮 個別決定
勤務形態 正規・非正規・委託・来客 対象範囲を明記 在館名簿
帰宅開始 経路・分散・連絡 段階帰宅を承認 出発記録

買収前に待機ルールの実態を匿名アンケートと訓練で確認します。社員の家庭事情を広くデータルームへ出さず、買い手は制度・集計・必要な配慮の予算を評価します。 夜の店舗スタッフ、外回り営業、来客、ビル常駐員が同じ時刻に在館しないため、名簿の更新方法を勤務形態別にします。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 条例・社内規程・ビル指示の関係を整理する。
  • 在館者区分と個別配慮の取扱いを決める。
  • 待機、避難、分散帰宅の判断者を指名する。
  • 全員一斉ではない連絡・帰宅訓練を行う。
  • 発災時の決定を個人情報に配慮して記録する。

判断の停止線:三日間という目安を、危険な建物での強制待機や全員一律の帰宅禁止として運用しません。 この章で完成させる証拠:施設安全、交通、個別事情、帰宅承認を時系列で残す待機・帰宅例外判断簿。

8. 3日分備蓄を人頭・シフト・場所・消費期限で再計算する

東京都の公的資料は、3日分の目安として一人当たり水9リットル、主食9食、毛布1枚等を示しています。しかし、買収で在籍人数、出社率、来客、夜勤、拠点床面積が変われば必要量も配置も変わります。帳簿上の購入数ではなく、現物、消費期限、アレルギー、衛生用品、簡易トイレ、配布手段を確認します。

公的資料の位置付け:東京都帰宅困難者対策の資料は正規・非正規を問わず事業所内で勤務する従業員を対象とし、水・食料・毛布等の備蓄量の目安を示しています。 目安は最低限の検討材料であり、季節、健康状態、来訪者、事業継続、保管環境によって追加品目が必要です。

最初の判断分岐|備蓄現物・配布能力台帳

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
対象人数 シフト・出社率・来客 発災時在館を推定 算定表
水食料 数量・期限・配慮 72時間へ配分 現物写真
トイレ衛生 回数・保管・廃棄 給排水停止へ対応 在庫票
保温医療 毛布・常備品・救急 個別ニーズを補う 配布記録
保管配布 階・鍵・運搬 エレベーター停止を想定 配置図

備蓄不足を単純な箱数で価格控除せず、対象人数、保管面積、更新費、廃棄、共同備蓄、買い手の標準を基に100日投資へ分けます。譲渡企業の在庫を取得する場合は消費期限と所有者を確認します。 狭い都心区画では一か所集中が避難通路を塞ぐため、上階・部署への分散と階段運搬を検討します。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 雇用形態とシフトから在館人数の基準を決める。
  • 購入台帳と現物をロット・期限まで照合する。
  • 保管場所から配布場所まで人力で試す。
  • 不足・期限到来・個別配慮を調達計画へ載せる。
  • 四半期ごとに回転備蓄と訓練消費を記録する。

判断の停止線:箱が倉庫にあること、数量が目安を超えることだけで、72時間の利用可能性を合格にしません。 この章で完成させる証拠:人数、数量、期限、配置、配布、更新費を一体化した備蓄現物・配布能力台帳。

9. 在館者名簿を従業員・委託・来客・外出者へ分ける

安否確認サービスに社員名が登録されていても、派遣、清掃、警備、工事、来客、面接者、外回り社員、別拠点勤務者を把握できなければ点呼は完了しません。受付簿、入館システム、勤怠、予約、担当者の記憶が別々に存在するため、発災時に必要な最小項目と更新周期を決めます。個人情報を無制限に共有せず、捜索・連絡に必要な役割へ限定します。

公的資料の位置付け:東京都のガイドラインは従業員等の施設内待機や安否確認を示し、個人情報保護委員会は組織再編時も利用目的と取扱いを適切に管理するよう注意喚起しています。 防災目的であっても、平時の過剰収集、無期限保存、全社員への一斉開示が当然に許されるわけではありません。

譲渡企業から受け取る証跡|在館・安否突合盤

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
従業員 勤怠・入館・所属 在館と外出を分ける 点呼結果
委託派遣 契約先・当日配置 雇用主と連携 連絡記録
来客 予約・受付・同行者 受入部署が保護 退館確認
外出者 訪問先・帰社予定 無理な帰社を止める 安否応答
未確認 最終確認場所・担当 捜索を安全に判断 未確認一覧

M&A前のデータ開示は個人名を必要最小限にし、制度、件数、更新頻度、テスト結果を中心に確認します。Day1で担当会社やシステムが変わる場合、連絡先の移行、利用目的、公表・通知、旧データ削除を法務担当と設計します。 新橋では日中の外回りと夜間の店舗勤務で在館パターンが大きく変わるため、固定人数名簿を使い回しません。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 在館者区分と発災時に必要な最小項目を決める。
  • 勤怠・入館・予約を突合する責任者を置く。
  • 買収前は匿名集計で更新精度と未回答率を確認する。
  • Day1に連絡網と委託先窓口を安全に切り替える。
  • 訓練で未確認者を追跡し削除期限まで監査する。

判断の停止線:安否確認への登録、入館カード発行又は勤務予定だけで、実際の在館・安全確認とは扱いません。 この章で完成させる証拠:区分別の所在、連絡、確認時刻、未確認、閲覧権限を持つ在館・安否突合盤。

10. ビル所有者・防災センター・テナントの役割境界を確定する

大規模ビルでは建物側が館内放送、設備停止、避難、入館規制を統括し、小規模ビルでは各テナントの判断範囲が広いことがあります。対象会社のBCPに書かれた行動が、建物全体の消防計画や防災センター指示と矛盾すれば実行できません。設備の所有と操作権限、情報の流れ、休日窓口を建物側と確認します。

公的資料の位置付け:東京消防庁は消防計画・事業所防災計画の枠組みを示し、港区の事業所向けマニュアルは顧客安全と地域との連携を含む防災体制を案内しています。 標準的な役割分担は建物ごとの契約、管理体制、用途、規模で変わるため、現地の全体計画と指示系統を優先します。

買い手が再試験する項目|建物・テナント防災RACI

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
館内放送 発令権限・代替手段 単一指示を確認 放送記録
設備停止 電源・ガス・空調・水 操作権限者へ連絡 停止ログ
避難 階段・集合・誘導 建物指示と整合 点呼記録
立入再開 安全判定・鍵・検査 権限者の許可後 再入館通知
休日夜間 防災センター・警備窓口 応答不能時を設定 連絡試験

買収で管理責任者や法人名が変わると、連絡網、入館権限、会議参加、届出名義の更新が必要になる場合があります。最終契約に『協力する』だけと書かず、窓口変更と訓練参加を100日タスクにします。 汐留の複合ビルと駅西側の小規模建物では防災センター機能が異なるため、拠点別RACIを作ります。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 建物全体計画、館内規則、賃貸借の防災条項を取得する。
  • 設備・放送・避難・再入館の権限者を確認する。
  • 譲渡企業計画との矛盾と空白をRACIへ表示する。
  • 名義・連絡先変更を建物側へ所定手続で届ける。
  • 共同訓練で連絡と指示受領を再確認する。

判断の停止線:自社責任者の指示、過去訓練又は設備の所有だけで、建物全体を操作・再開できるとは判断しません。 この章で完成させる証拠:各機能の実行、承認、協議、通知を主体別に示す建物・テナント防災RACI。

11. 情報源を一本化せず、受信不能時の代替を持つ

災害時に社員がSNS、ニュース、鉄道アプリ、ビル放送、港区、東京都から異なる情報を受けると、帰宅・避難・再開判断が分かれます。公式情報を優先する方針を決める一方、停電、通信混雑、担当者不在に備えて複数の受信手段を持ちます。受信した情報と会社判断を区別し、誤情報を転送しない承認手順が必要です。

公的資料の位置付け:港区・東京都は防災、避難、帰宅困難者向けの情報ページを公開し、東京都は帰宅困難者等への情報提供ガイドラインも事業者向けに掲載しています。 公開サイトは常時到達を保証せず、転載された画面や古いPDFは最新判断の根拠にならない可能性があります。

72時間後へ残す記録|災害情報ソース・判断ログ

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
港区 防災・避難情報のURL 住所との関係を確認 保存時刻
東京都 帰宅・広域情報 広域判断へ使用 受信記録
建物 放送・防災センター 現地安全へ優先 指示記録
鉄道道路 公式運行・交通 移動開始を判断 参照URL
社内判断 承認者・配信文 事実と指示を分離 配信ログ

買収後にグループ危機管理へ統合する場合、対象会社の地域情報源を削除せず、グループ判断へ入力する経路を作ります。アカウント、配信先、緊急連絡ツールの権限を移行し、旧管理者を失効します。 新橋駅、ビル、港区という三層の情報を使い、駅全体の運休情報と対象建物の避難指示を混同しません。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 情報源を現地、区、都、交通、国へ分類する。
  • 主回線と代替端末・ラジオ・掲示を準備する。
  • 受信情報を確認し会社判断へ変換する承認者を置く。
  • 買収時に配信権限と連絡先を入れ替える。
  • 訓練で通信断を入れ、代替手段の到達率を測る。

判断の停止線:SNSの拡散数、社員の現地報告一件又は古いスクリーンショットだけで全社判断を出しません。 この章で完成させる証拠:出所、受信時刻、対象範囲、会社判断、配信を分離した災害情報ソース・判断ログ。

12. 停電・断水・トイレ・エレベーターを連鎖障害として扱う

電気が止まると照明、空調、通信、入退室、給水ポンプ、エレベーター、決済が同時に影響する可能性があります。非常電源があっても対象回路、燃料、運転時間、起動権限が分からなければ事業には使えません。断水時には飲料水だけでなくトイレ、清掃、手洗い、厨房も問題になります。設備ごとの復旧ではなく、業務を支える依存関係で確認します。

公的資料の位置付け:東京消防庁の職場地震対策は火気、避難、資器材、停電等への備えを示し、東京都の帰宅困難者資料は水・食料・簡易トイレ等の備蓄を案内しています。 非常設備の仕様値は実負荷での稼働時間、保守状態、発災時利用権限を保証しないため、建物側と試験記録を確認します。

取引条件への戻し方|ライフライン依存・縮退運転表

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
電源 系統・非常回路・燃料 重要負荷を優先 運転ログ
通信 回線・携帯・予備電池 音声とデータを分ける 到達試験
水 飲用・衛生・設備用 用途別に配分 残量記録
トイレ 簡易便・衛生・廃棄 使用制限を発令 配布記録
昇降 停止・閉じ込め・階段 無理な利用を止める 確認時刻

設備容量を買収価値へ入れる場合、建物共用とテナント専用を分け、SLA、保守、燃料、利用順位を確認します。買い手のサーバーや人員を追加した後の負荷を旧仕様へ当てはめません。 高層・地下の区画では階段搬送とトイレ継続が待機可能人数を制約するため、床面積だけの収容計算を避けます。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 重要業務から必要な電気・水・通信・昇降を逆引きする。
  • 設備系統と建物側の運転条件を取得する。
  • 非常時に止める業務と残す業務を決める。
  • 停電・断水を組み合わせた縮退運転を試す。
  • 実測値で待機人数と復旧順を更新する。

判断の停止線:発電機、貯水槽、二回線等の設備名称だけで、容量・運転時間・利用可能性を合格にしません。 この章で完成させる証拠:業務と設備、容量、優先順位、縮退手順、実測を結ぶライフライン依存・縮退運転表。

13. 重要業務を売上順ではなく停止影響と復旧依存で選ぶ

災害直後に全業務を戻そうとすると、人員と電源が分散します。重要業務は売上が大きい順とは限らず、安全確認、顧客への停止連絡、期限のある決済・届出、医療・インフラ顧客対応など停止影響から決めます。目標復旧時間は希望値ではなく、最低人員、場所、データ、通信、承認、仕入先が揃う時間から積み上げます。

公的資料の位置付け:内閣府の事業継続ガイドラインは重要業務の継続・早期復旧を経営戦略として捉える枠組みを示しています。 ガイドラインは各社固有の優先業務、復旧目標、顧客契約又は資源配分を決定しません。

発災前に固定する数字|重要業務・復旧依存グラフ

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
安全業務 在館確認・停止・連絡 最優先で実行 完了時刻
顧客保護 停止通知・代替案 重大影響順に連絡 通知記録
期限業務 決済・申告・締切 代替承認を使用 処理証跡
中核提供 人・場所・データ・仕入 最小構成で再開 取引記録
通常復旧 全サービス・品質 安全確認後に拡張 再開承認

買い手は対象会社の利益率だけでなく、停止許容時間、契約上の通知、代替能力、キーパーソン依存を評価します。統合でシステムを変える場合は、災害時の旧手順と新手順の空白をなくします。 法人顧客の締切、店舗来客、士業の期限など、新橋に混在する業態を一律の復旧順位へ押し込めません。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 業務一覧を安全、顧客、期限、収益へ分類する。
  • 停止時間ごとの影響と契約通知を確認する。
  • 必要資源と単一障害点を依存グラフへ描く。
  • 最小構成での手作業・代替場所を試験する。
  • 買収後の体制・システムで復旧目標を再承認する。

判断の停止線:平時売上、役員の希望又は古いBCPの順位だけで重要業務を決めません。 この章で完成させる証拠:停止影響、目標時間、必要資源、代替、承認を示す重要業務・復旧依存グラフ。

14. 取引先・クラウド・外部拠点を同時被災しない形へ組み直す

自社ビルが無事でも、仕入先、データセンター、クラウド、電話代行、倉庫、配送、決済、外注先が止まれば重要業務は続きません。契約上の冗長化と、実際に別の危険へ分散していることは別です。同じ通信局舎、同じクラウドリージョン、同じ駅周辺へ集約されていないかを、開示可能な範囲で確認します。

公的資料の位置付け:内閣府ガイドラインはサプライチェーン等を含む事業継続を扱い、港区・東京都資料は地域危険と帰宅困難者対応の確認材料を提供します。 ベンダーのBCP保有、複数拠点又はクラウド利用という表示だけで、対象業務の復旧時間や地理分散を保証しません。

最初の判断分岐|外部依存・代替実行票

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
仕入外注 重要品・人・復旧窓口 代替発注を判断 注文記録
クラウド リージョン・バックアップ・権限 復旧手順を実行 復元ログ
通信 キャリア・経路・番号 代替へ転送 通話試験
物流倉庫 所在地・在庫・車両 分散在庫を使用 出庫証跡
代替拠点 席・電源・入館・情報 最小人員で稼働 利用記録

DDでは契約一覧から外部依存を洗い出し、重大先には質問票、SLA、障害履歴、テスト結果を求めます。買い手グループの標準ベンダーへ変えるまでの移行期間は、旧契約を急に終了しません。 代替拠点が同じ新橋駅圏内にある場合、利便性は高くても同時に交通・停電・浸水影響を受ける可能性を検討します。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 重要業務から外部契約を逆引きし優先度を付ける。
  • 所在地、経路、復旧窓口、SLA、権限を確認する。
  • 代替発注、復元、転送、別拠点稼働を小さく試す。
  • 買い手標準への変更は復旧可能性を保って段階実施する。
  • 障害と訓練結果をベンダーレビューへ反映する。

判断の停止線:大手ベンダー、二重化、クラウド又は遠隔地という名称だけで同時停止リスクを除外しません。 この章で完成させる証拠:依存先、所在地、復旧時間、代替、試験を追う外部依存・代替実行票。

15. 災害対策本部の権限を買収後の会社機関と一致させる

譲渡企業社長が全判断をしてきた会社では、買収後に誰が休業、支出、対外発表、データ遮断、従業員帰宅、顧客補償を決めるか空白になりやすいです。グループ本社の承認を待つ間に現場対応が遅れないよう、平時の会社権限と緊急時の委任を整えます。責任者が被災・通信不能でも代行順位が自動的に進む条件を決めます。

公的資料の位置付け:東京消防庁の職場地震対策は任務分担を事前計画の項目に置き、内閣府は経営者が事業継続を戦略課題として扱う枠組みを示しています。 公的資料は対象会社の代表権、取締役会決議、支出権限、広報承認を設定しないため、会社規程と専門家確認が必要です。

譲渡企業から受け取る証跡|緊急権限・代行順位カード

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
人命安全 避難・停止・救護権限 現場が即時判断 発令記録
操業 休業・縮退・再開 代行順位で決定 決裁記録
支出 緊急調達・上限・精算 後追い承認を設定 支払証憑
情報 対外発表・顧客通知 事実確認後に発信 原稿と時刻
データ 遮断・復旧・アクセス 専門責任者が実行 操作ログ

最終契約の発効と同時に取締役・代表・銀行・システム権限が変わる場合、緊急権限カードも同日に更新します。譲渡企業社長の一定期間協力はTSA等へ作業と応答時間を明記します。 複数テナント、夜間店舗、外回り社員へ一つの現場判断を届けるため、部署別の中継責任者も定めます。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 現行の法的・社内・実務権限を比較する。
  • 災害時の即時判断と本社承認事項を分ける。
  • 不在・通信不能で代行が進む条件を定義する。
  • Day1に役職、銀行、通信、広報権限を更新する。
  • 抜き打ち机上訓練で決裁時間と記録を測る。

判断の停止線:役職名、名刺又は過去の慣行だけで緊急支出・休業・対外発表の権限を推定しません。 この章で完成させる証拠:判断事項、限度、代行、連絡、記録先を明示する緊急権限・代行順位カード。

16. 安否・健康・来訪者情報を利用目的と削除期限付きで承継する

安否確認には氏名、連絡先、家族連絡、健康配慮、現在地など機微な情報が含まれ得ます。M&Aの交渉段階で全件を開示する必要は通常なく、制度設計、件数、未登録率、応答率で多くを評価できます。クロージング後に利用目的の範囲、アクセス権、委託先、保存期限、退職者削除を整えます。

公的資料の位置付け:個人情報保護委員会は合併・組織再編時の利用目的に関する注意事項を示し、個人情報保護法ガイドラインで安全管理等を案内しています。 事業承継であることを理由に、目的を超える利用や買い手全社員への閲覧を当然に認めるものではありません。

買い手が再試験する項目|防災個人情報ライフサイクル表

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
収集 項目・目的・本人案内 必要最小限に限定 通知文
DD 匿名集計・閲覧制限 段階開示を承認 アクセスログ
承継 法的根拠・目的・公表 新体制へ移す 移行記録
発災利用 点呼・救護・連絡 役割者だけが使用 閲覧記録
削除 退職・期限・不成立 バックアップも管理 削除証明

データルームには氏名一覧より、項目定義、委託契約、権限表、訓練集計、漏えい対応を優先して置きます。交渉不成立時の返却・削除と、買収後の旧環境閉鎖を契約へ書きます。 来客や外部スタッフが多い拠点では、顧客管理データと当日点呼データを不用意に結合しません。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 安否・健康・来訪情報の項目と利用目的を棚卸しする。
  • DDは匿名化・集計・限定閲覧を優先する。
  • 承継時の通知・公表・委託先変更を確認する。
  • 発災時アクセスと平時管理の権限を分ける。
  • 退職・期限・不成立時の削除を証明する。

判断の停止線:緊急時に役立つ可能性だけで、平時の過剰収集、無期限保存又は広範な開示を正当化しません。 この章で完成させる証拠:収集からDD、承継、発災利用、削除まで追う防災個人情報ライフサイクル表。

17. 保険・顧客契約・価格調整へBCP発見事項を一度だけ反映する

防災DDで見つかる未固定家具、備蓄不足、浸水対策、代替回線、訓練不足、保険条件は、全てを価格控除にするものではありません。過去の契約違反、通常更新、買い手の強化、発生確率、保険で移転できる範囲を分けます。顧客契約の災害通知、不可抗力、サービスレベル、データ復旧義務も確認します。

公的資料の位置付け:中小M&AガイドラインはM&A契約実務の基本線を示し、内閣府・東京都・港区・消防庁の資料はBCP上の確認基準を提供します。 公的指針やハザードマップは、保険適用、契約違反、補償額、企業価値調整を自動的に確定しません。

72時間後へ残す記録|BCP発見事項・経済配賦台帳

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
事実 現況・原本・訓練結果 重大性を評価 証拠番号
契約 顧客通知・SLA・不可抗力 義務と例外を確認 条項引用
保険 対象・免責・限度・通知 保険者等へ照会 証券回答
費用 是正・更新・強化・予備 二重計上を除く 見積根拠
配賦 価格・条件・誓約・投資 一項目一配賦 契約対応

財務モデルでは期待損失を機械的に作る前に、事実、曝露、代替、保険、顧客影響を確認します。クロージング前是正、表明保証、補償、価格、100日投資のどこへ置いたかをDD番号で追跡します。 都心拠点の高賃料や来訪者集中をそのまま損害額とせず、停止時間帯・代替チャネル・契約通知で実際の影響を測ります。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 発見事項を事実と仮説へ分け固有番号を付ける。
  • 顧客契約、保険、代替能力との関係を確認する。
  • 通常費・過去不足・買い手強化を分離する。
  • 価格、条件、補償、投資へ一度だけ割り付ける。
  • 是正・保険変更・契約通知の完了証拠を保存する。

判断の停止線:ハザードの存在、対策不足又は保険加入だけで、違反、損害額、価格調整を確定しません。 この章で完成させる証拠:事実、契約、保険、費用、配賦、完了を番号でつなぐBCP発見事項・経済配賦台帳。

18. クロージング後100日を72時間実動訓練で締める

BCP承継の完了はファイル移管日ではなく、新しい責任者と権限で72時間を通す訓練が終わった時です。地震と鉄道停止、豪雨と地下浸水、停電と通信断など、単一事象ではなく連鎖を入れます。実際に危険を発生させず、机上・部分実動・連絡試験を組み合わせ、未達を経営会議へ戻します。

公的資料の位置付け:港区の民間一時滞在施設マニュアルは訓練の検証を踏まえて作成され、東京消防庁の職場地震対策も教育・訓練と地域連携を事前計画に挙げています。 一回の成功訓練は実災害の安全や全シフトの対応を保証せず、条件を変えた継続改善が必要です。

取引条件への戻し方|Day100・72時間演習記録

確認対象 平時の準備 発災時の判定 残す証拠
0~10分 安全確保・点呼・停止 初動を発令 時刻と未確認
10~60分 建物・公式情報・連絡 待機避難を判断 判断根拠
1~6時間 備蓄・来客・重要通知 縮退運転へ移る 配布通知
6~24時間 交代・睡眠・代替業務 長期体制を編成 勤務記録
24~72時間 補給・復旧・分散帰宅 再開条件を評価 復旧議事録

Day1は権限・連絡・備蓄の切替、Day30は机上、Day60は部分実動、Day100は72時間演習として段階化します。重大未達には予算・責任者・期限を付け、M&A投資委員会へ報告します。 平日昼、平日夜、休日で在館者と駅混雑が違うため、同じシナリオを全拠点へ一度だけ実施して終えません。

クロージング前、Day1、発災後の順序

  • 買収前に基準訓練と未達を記録する。
  • Day1に権限・名簿・情報源・備蓄を切り替える。
  • Day30・60で連絡断や担当不在を追加して試す。
  • Day100に72時間の意思決定を時系列で演習する。
  • 未達を是正し次回訓練日まで経営が追跡する。

判断の停止線:参加率、所要時間又はチェック数だけで成熟度を判断せず、誤判断・未確認・安全上の弱点を質的に評価します。 この章で完成させる証拠:初動から72時間、判断、連絡、配布、縮退、復旧、是正を残すDay100・72時間演習記録。

発災0分から72時間までの新橋M&A・BCP指揮記録

BCPを承継できたかは、危機時の時計を新しい責任者が進められるかで確かめます。以下の時間は災害の進行を予測する時刻表ではありません。揺れ、火災、浸水、建物安全、行政情報に応じて前後し、常に人命保護を優先するための意思決定枠です。各判断は後から理由を検証できるよう上書きせず残します。

1. 平時に72時間時計の初期値を固定する

発災後の行動を時系列化する前に、通常日の在館者、外回り、来客、委託者、夜勤、休日勤務を時間帯別に把握します。名簿上の従業員数を在館者数へ置換せず、入退館、勤怠、予約、委託配置を匿名集計で突合します。同じ日に備蓄の現物、保管階、鍵、賞味・使用期限、搬出人数を確認し、帳簿数量と写真数量の差を未了として残します。

確認時点・対象 担当が行うこと 停止・切替条件 保存する証拠
人数基準 曜日・シフト・来客を時間帯別集計 母集団不明なら配布量を確定しない 集計日・抽出定義
危険基準 住所・階・設備を最新地図へ重ねる 対象図面を特定できなければ要再照会 確認日付き地図
備蓄基準 品目・数量・期限・鍵を実査 搬出不能又は期限切れは充足に数えない 棚番号・写真
権限基準 指揮者・代行・支出・広報を確認 一人不在で止まる権限は再設計 緊急委任表

判定の進め方:買収前、Day1、Day30で同じ数え方を使い、増減の理由を人員統合、拠点移動、廃棄・補充へ分けます。東京都が示す備蓄の目安は出発点であり、飲料制限、アレルギー、乳幼児、服薬、衛生、簡易トイレ、充電、女性用品、障害のある人への配慮を対象会社の在館実態へ合わせます。 新橋での実装:新橋では昼間の外回り社員と来客、夕方以降の駅混雑、ビルごとの夜間入館が重なります。代表一日だけでなく、平日昼、平日夜、休日の三断面を作り、汐留側の地下利用拠点は地上移動のための要員も見ます。

完了の定義:対象人数、危険、資源、権限、情報源が同じ基準日時点で確定し、未確認をゼロ扱いしていないこと、新責任者が棚と連絡手段を実際に見つけられることを完了条件にします。

2. 発災0分から10分は安全確保と指揮確立だけに集中する

強い揺れや急な浸水兆候が起きた直後は、売上やシステム復旧より、身の安全、火気・危険設備、落下物、出口、負傷者、建物放送を優先します。机上の責任者が不在又は負傷している可能性を前提に、現場で確認できた人が代行順位を起動し、指揮者を一人にします。点呼を急いで危険な場所へ人を探しに行かせません。

確認時点・対象 担当が行うこと 停止・切替条件 保存する証拠
0~3分 身を守り火気・機械へ近づかない 余震・浸水兆候なら移動を止める 開始時刻・観察事実
3~5分 負傷・火災・出口を安全範囲で確認 危険箇所を封鎖し消防等へ通報 場所・通報時刻
5~8分 指揮者と代行順位を宣言 指揮競合があれば上位権限へ一本化 指揮宣言ログ
8~10分 建物放送と公式情報源を受信 未確認SNS情報で退館を命じない 受信元・内容・時刻

判定の進め方:初動カードは長文マニュアルの要約ではなく、行ってはいけない行為、避難・待機の判定者、119番等の通報、設備停止の権限、点呼開始条件を一枚にします。新体制では譲渡企業社長への電話がつながらなくても動けるよう、買い手の危機対策本部とテナント現場の指揮範囲を事前に分けます。 新橋での実装:新橋駅周辺の混雑を見て反射的に駅へ向かわず、まず対象ビルの安全と防災センター指示を確認します。地下通路側の店舗・事務所では、地上へ出ること自体が安全かを浸水・火災・群集の情報と合わせます。

完了の定義:誰が指揮者か、何を確認済み・未確認か、どの区域を立入禁止にしたか、どの公式情報を受けたかが10分時点で短く記録され、人命保護に反する業務指示が停止されている状態です。

3. 10分から60分で在館者と建物情報を一つの状況図へする

最初の一時間には、社員、来客、派遣・委託、外出者、休暇者を分けて確認します。安否確認システムの未回答を直ちに行方不明とせず、入館・勤怠・予約の各情報と照合します。同時に建物の構造・火災・停電・給排水、交通、気象、避難情報を収集しますが、情報量を増やすほど判断が良くなるわけではありません。出所、時刻、対象地域を付けます。

確認時点・対象 担当が行うこと 停止・切替条件 保存する証拠
10~20分 在館者を場所別に点呼 危険区域への捜索は専門者判断へ 点呼母集団・未確認
20~30分 外出・在宅者へ一方向で状況通知 回線混雑時は定めた代替へ切替 送信・到達・応答
30~45分 防災センターとテナント情報を照合 建物安全不明なら業務再開を保留 放送・担当回答
45~60分 待機・上方避難・退館を判定 公式情報不足なら安全側で再判定時刻を置く 判断根拠・承認者

判定の進め方:個人情報を含む名簿は危機対応に必要な担当だけへ限定し、ホワイトボードや一斉メールに健康情報を広げません。人数の合計が合っても、所在不明者と未回答者が混ざっていないか確認します。判断を更新した場合は上書きせず、旧判断、変更理由、新しい時刻を残します。 新橋での実装:新橋駅の運行停止情報は帰宅可否の一要素ですが、駅が開いていることを安全な移動の保証にしません。駅周辺滞留者対策の公式情報、港区の避難情報、ビル指示を役割別に登録し、社員が独自判断で駅へ集中しないよう伝えます。

完了の定義:母集団、確認済み、未確認、支援が必要な人、建物状態、公式情報、次回判定時刻が一枚の状況図で整合し、閲覧権限と情報更新担当が明確な状態です。

4. 1時間から6時間で施設内待機と縮退業務を組み立てる

建物が安全で施設内待機を選ぶ場合、席にとどめるだけでは足りません。飲料水、食料、簡易トイレ、毛布、充電、衛生、服薬、換気、男女や支援ニーズに配慮した区画、情報提供、休息を時間割へします。一方、重要な顧客通知や期限業務は、人命保護と競合しない最小構成で行い、通常営業への早過ぎる復帰を避けます。

確認時点・対象 担当が行うこと 停止・切替条件 保存する証拠
1~2時間 待機場所と危険区域を区切る 収容・衛生が保てなければ代替検討 配置図・人数
2~3時間 水・トイレ・充電を配布計画化 残量不明なら均等配布を再計算 払出台帳
3~4時間 重要顧客・家族へ定型情報を送る 未確認事項を断定する文面は停止 承認文・送信証拠
4~6時間 縮退業務と休止業務を宣言 必要資源が欠ければ停止を継続 業務優先表

判定の進め方:重要業務は単なる売上順でなく、安全、法定・契約期限、顧客損失、代替可能性、必要な人・端末・回線・承認を並べます。譲渡企業の旧システムへ依存する業務は、アクセス権が残っているだけで継続可能とせず、セキュリティ、ログ、サポート、代替連絡を確認します。 新橋での実装:複合ビルでは共用備蓄、トイレ、発電、空調の優先順位を管理会社へ確認します。共同資源があるという説明だけでテナント備蓄を削らず、誰が鍵を持ち、何人へ、何時間、どの条件で配るかを新橋拠点の人数へ落とします。

完了の定義:在館者の生活維持と重要業務が同じ資源を奪い合わず、配布残量、休止判断、顧客通知、次の交代時刻を新しい責任者が承認している状態です。

5. 6時間から24時間で夜間体制と外部依存を再編する

災害が夜間へ続くと、初動担当の疲労、照明・空調・トイレの制約、食事・服薬、家族不安、通信端末の電池、警備と入館が問題になります。指揮者を長時間固定せず、引継ぎ時に確認済み事実、未確認、次の判断、支援対象、資源残量を読み合わせます。外部委託先やクラウドが稼働していても、自社の認証担当や回線が失われれば使えません。

確認時点・対象 担当が行うこと 停止・切替条件 保存する証拠
6~9時間 勤務・休息・見守りシフトを組む 連続勤務が安全を損なえば交代 シフト・健康申告
9~12時間 電力・通信・水・衛生残量を測る 閾値到達前に縮退を強める メーター・残量
12~18時間 外部委託・仕入・顧客拠点を確認 連絡不能なら代替先へ移す 依存先状況表
18~24時間 第一日目を引継ぎ形式で総括 重大未確認は翌日へ明示継続 24時間状況報告

判定の進め方:引継ぎは口頭だけでなく、時系列、決定、根拠、担当、期限を一組にします。帰宅希望には個別事情を確認しますが、交通再開の一報だけで一斉解散しません。建物にとどまる危険が増した場合は、施設内待機という初期判断に固執せず、管理者・行政情報に基づき上方避難や安全な移動を再検討します。 新橋での実装:新橋の昼人口が夜間人口へ移る過程では、同じビル内でもテナントごとに人数が変わります。共用部の混雑や物資配布を防災センターへ伝え、駅前へ情報を取りに行く担当を設けず公式の遠隔情報を優先します。

完了の定義:24時間時点で、健康・勤務、資源、外部依存、待機継続、分散帰宅、重要業務の各判断が一つの状況報告にまとまり、次シフトが追加説明なしで引き継げる状態です。

6. 24時間から48時間で補給・代替拠点・顧客保護を選ぶ

二日目には初期備蓄の減少、物流停止、通信品質、社員の家庭事情、顧客の復旧状況が明らかになります。全業務を元に戻そうとせず、拠点内継続、別拠点、在宅、外部委託、停止の五つから業務単位で選びます。移動を伴う代替は道路・鉄道・避難情報、移動者の安全、受入先の容量を確認し、効率を理由に危険な移動を命じません。

確認時点・対象 担当が行うこと 停止・切替条件 保存する証拠
24~30時間 資源消費率から72時間残量を予測 不足確実なら安全な補給又は縮退 消費予測
30~36時間 代替拠点・在宅の受入試験 認証・個人情報・電源不備なら不使用 接続試験
36~42時間 顧客案件を期限・損失で再分類 安全資源を超える受注は停止 顧客保護一覧
42~48時間 保険・契約通知の事実を整理 推測損害額で確定通知しない 通知控え・証拠索引

判定の進め方:補給計画では入手先の営業情報だけでなく、搬入経路、受領者、保管、配布を確認します。代替拠点へ個人データや機密資料を移す場合、発災を理由に権限を無制限化しません。顧客へは確認済みの停止範囲、連絡方法、次回更新時刻を伝え、復旧日時を根拠なく約束しません。 新橋での実装:新橋、汐留、虎ノ門寄りの近接拠点は同じ停電・交通・通信に巻き込まれる可能性があります。徒歩距離が近いことを独立性とせず、電源系統、回線、建物、浸水・揺れの条件を比較して代替能力を判定します。

完了の定義:72時間までの資源見通し、業務別の運転場所、顧客通知、契約・保険証拠が整合し、代替策の安全と情報管理を権限者が確認した状態です。

7. 48時間から72時間で再開・分散帰宅・次の危機へ接続する

三日目は『72時間が過ぎれば終了』ではなく、建物点検、交通、衛生、電力・水、サプライヤー、人員、顧客需要を基に再開段階を決める時点です。帰宅困難者対策の時間目安を自動解除の時刻にせず、個人の経路と家庭事情、公式情報を確認して分散させます。通常業務を再開しても、未確認設備や疲労した担当へ負荷を集中させません。

確認時点・対象 担当が行うこと 停止・切替条件 保存する証拠
48~54時間 再開必須条件を設備・人・外部で確認 一つでも安全未確認なら限定運転 再開チェック
54~60時間 帰宅経路・時差・支援を個別判定 駅混雑又は経路危険なら待機継続 分散計画
60~66時間 限定サービスを負荷試験 障害・衛生・安全逸脱で停止 試験結果
66~72時間 判断・費用・未達・次回訓練を総括 原因不明を完了扱いしない 72時間報告

判定の進め方:再開基準は売上部門だけで決めず、安全、施設、IT、個人情報、法務・労務、顧客対応が必要な証拠を確認します。発災時の臨時権限は平時へ戻す終了条件を持たせ、共有された名簿、臨時アカウント、紙の点呼表を保管・削除方針へ戻します。 新橋での実装:新橋駅の複数路線が部分再開しても、一つのホームや出口へ人が集中する場合があります。放送やSNSの断片で帰宅を促さず、東京都・港区・交通事業者・ビル管理の公式情報と社員の経路を合わせます。

完了の定義:再開、限定継続、停止、分散帰宅の判断に時刻・根拠・承認者があり、臨時権限と個人情報を平時管理へ戻し、未達に予算・責任者・次回演習日が設定された状態です。

8. M&A署名前に譲渡企業不在シナリオで72時間時計を起動する

通常の訓練で譲渡企業社長やベテラン防災担当が全て答えると、買収後の実力を過大評価します。NDAと個人情報管理を守りながら、担当不在、代表回線不通、入館カード一部停止、備蓄庫の鍵担当不在を条件に加え、買い手予定責任者が初動カード、建物連絡、点呼母集団、支出権限、顧客通知を見つけられるかを机上で確認します。実災害を模した危険な実動はせず、安全な連絡・検索・判断試験に限定します。

確認時点・対象 担当が行うこと 停止・切替条件 保存する証拠
開始前 参加者・閲覧資料・中止条件を承認 秘密情報又は安全管理に疑義なら中止 演習実施要領
初動課題 指揮・点呼・建物連絡を買い手が実施 旧担当の助言なしで動けなければ未達 時刻別観察
資源課題 鍵・備蓄・通信・代替拠点を探索 台帳と現物不一致は発見事項化 探索結果・写真
経営課題 停止・顧客通知・支出を承認 権限不明なら契約前提へ戻す 決定・根拠

判定の進め方:演習で見つかった不足を『買収後に慣れる』で閉じず、クロージング前是正、最終契約の前提条件、移行サービス、100日投資へ一度だけ配ります。譲渡企業協力が必要なら担当者名ではなく、提供作業、応答時間、代行、期間、資料返却を記載します。安全上の脆弱性は価格控除だけで受け入れず、開店・入居・統合の停止条件を検討します。 新橋での実装:新橋の対象拠点と買い手本社が近くても同じ鉄道停止、回線混雑、停電に巻き込まれます。徒歩で助けに行けるという仮定を除き、ビル防災センター、港区・東京都の公式情報、遠隔代行者だけで判断を再現します。

完了の定義:買い手側の責任者と代行者が譲渡企業キーパーソン不在でも、資料検索、点呼、待機・避難、縮退業務、顧客通知、支出、72時間後の再開判定を開始でき、未達が契約又は予算へ割り付けられた状態です。

9. Day100に72時間演習の証拠を経営判断へ戻す

買収後の演習は参加率や完了チェック数を競う行事ではありません。Day1で権限・名簿・連絡を切り替え、Day30で机上、Day60で安全な部分実動、Day100で0分から72時間の判断を時系列に通します。地震後の豪雨、責任者不在、回線断、代替拠点利用不可など複合条件を加え、誤判断、情報空白、資源不足、権限衝突を経営課題として記録します。

確認時点・対象 担当が行うこと 停止・切替条件 保存する証拠
設計 目的・シナリオ・安全中止条件を定義 実災害と混同する表示があれば修正 演習計画
観察 判断時刻・根拠・未確認を記録 誘導的な助言を入れたら注記 観察者ログ
検証 計画・現物・行動の差を原因分類 責任追及だけで原因を閉じない 未達原因表
是正 責任者・予算・期限・再試験を承認 重大未達は完了まで経営追跡 是正決議・証拠

判定の進め方:未達は文書不足、人員・教育、物理設備、外部依存、権限・契約、情報管理へ分類します。全てを設備購入で解決せず、業務停止、分散、代替サプライヤー、契約変更、訓練を比較します。再試験では同じ設問を暗記させず、担当不在や発生時間を変えて能力が再現するか確かめます。 新橋での実装:平日昼だけでなく、夜間の駅混雑、休日の少人数、地下経路閉鎖を交互に扱います。新橋駅周辺協議会やビルの訓練へ参加できる場合も、自社の責任者交代・顧客通知・個人情報処理は社内演習で補います。

完了の定義:重大未達が原因、影響、暫定策、恒久策、責任者、期限、予算、再試験日を持ち、取締役会等が残存リスクを認識して承認し、新しい担当者でも同じ72時間能力を再現できる状態です。

経営会議へ戻す最終チェック

  • 平日昼、平日夜、休日について、在館者、来客、外出者、委託者の母集団を同じ定義で作っている。
  • 0分から72時間までの指揮者、代行順位、情報源、再判定時刻、停止線が記録様式に入っている。
  • 備蓄は数量だけでなく、期限、鍵、配布人員、衛生、支援ニーズ、補給経路を現物確認している。
  • 再開・分散帰宅・臨時権限終了を自動時刻で決めず、公式情報と個別の安全証拠で判定している。

新橋 M&A BCPで参照する一次資料と判断の境界

以下は2026-08-23を確認基準日として、発行主体自身が公開するページ、法令、行政資料だけを整理したものです。行政計画は将来の方向性を示す資料、手続ページは提出方法を示す資料、法令は適用関係を確認する資料であり、いずれも個別物件の契約承継、許可取得、工事実施、M&A価格を自動的に保証するものではありません。クロージング直前には更新日、所管窓口、対象住所、事業内容、契約原本を再確認します。

一次資料 発行主体 本稿で確認する範囲
浸水ハザードマップ(洪水・雨水出水) 港区 2026年7月更新、想定最大規模降雨、住所別浸水と避難情報
港区ハザードマップ 港区 津波、液状化、揺れやすさ、浸水等の公式集約
災害が発生するおそれがある場合に避難情報を発令します 港区 2026年の防災気象情報と地域別避難情報の考え方
帰宅困難者対策 港区 駅周辺滞留者対策推進協議会と情報提供・誘導の役割
民間事業者向け一時滞在施設運営マニュアル 港区 新橋駅周辺協議会の訓練を踏まえた受入運営手順
東京都帰宅困難者対策条例 東京都 一斉帰宅抑制、従業員待機、備蓄等の公的枠組み
帰宅困難者対策・事業者向け 東京都 事業所ガイドライン、一時滞在、情報提供、帰宅行動の資料
事業所における帰宅困難者等対策ガイドライン 首都直下地震帰宅困難者等対策連絡調整会議 施設内待機、備蓄、安否確認、来訪者対応の具体化
事業所防災計画表 東京消防庁 東京都震災対策条例に基づく事業所単位の防災計画
職場の地震対策(令和8年1月) 東京消防庁 任務分担、家具、火気、避難、資器材、訓練、地域連携
港区事業所向け防災マニュアル 港区 港区中小企業向けBCP、顧客安全、地域連携
企業防災のページ・事業継続ガイドライン 内閣府 重要業務、事業継続戦略、危機対応の公的指針
合併や組織再編等を行う事業者の方へ 個人情報保護委員会 組織再編時の個人情報の利用目的と公表・通知
中小M&Aガイドライン 中小企業庁 M&A支援・契約実務の公的な基本線
  • 浸水ハザードマップ(洪水・雨水出水):2026年7月更新、想定最大規模降雨、住所別浸水と避難情報
  • 港区ハザードマップ:津波、液状化、揺れやすさ、浸水等の公式集約
  • 災害が発生するおそれがある場合に避難情報を発令します:2026年の防災気象情報と地域別避難情報の考え方
  • 帰宅困難者対策:駅周辺滞留者対策推進協議会と情報提供・誘導の役割
  • 民間事業者向け一時滞在施設運営マニュアル:新橋駅周辺協議会の訓練を踏まえた受入運営手順
  • 東京都帰宅困難者対策条例:一斉帰宅抑制、従業員待機、備蓄等の公的枠組み
  • 帰宅困難者対策・事業者向け:事業所ガイドライン、一時滞在、情報提供、帰宅行動の資料
  • 事業所における帰宅困難者等対策ガイドライン:施設内待機、備蓄、安否確認、来訪者対応の具体化
  • 事業所防災計画表:東京都震災対策条例に基づく事業所単位の防災計画
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  • 合併や組織再編等を行う事業者の方へ:組織再編時の個人情報の利用目的と公表・通知
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あわせて確認したい承継の論点

本稿は、新橋駅周辺の会社を買収・譲渡するときに、帰宅困難者、浸水、津波、液状化、停電、備蓄、安否確認を72時間の運用へつなぐ記事です。従業員の承継や経営統合もあわせて確認し、危険度は最新の住所別ハザード資料で判断してください。

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よくある質問18選

質問1. BCPのPDFがあればM&Aの防災DDは十分ですか。

十分ではありません。最新版、承認者、代行順位、訓練、是正、備蓄、建物側との役割を確認し、譲渡企業責任者が不在でも買い手側で実行できるかを机上・部分実動で試します。

質問2. 新橋駅周辺は一つのハザード区分で評価できますか。

一括評価しません。新橋、東新橋、西新橋の住所、建物、階、地下利用、設備位置、通勤経路を最新の浸水・津波・液状化・揺れやすさ資料へ重ねます。確認日と地図の版も保存します。

質問3. 2026年7月の浸水ハザードマップで何が変わりましたか。

港区は新しい防災気象情報と雨水出水の指定を反映して情報面を更新し、従前の浸水区域や深さ自体に変更はないと説明しています。実行時は最新原文を再確認します。

質問4. ハザードマップで色が付いていなければ浸水対策は不要ですか。

不要とはいえません。地図は想定条件による予測で、建物の流入口、地下設備、排水、外部経路、電力・通信依存は別確認です。設備停止と上階移動を現地で設計します。

質問5. 最寄りの津波避難ビルへ必ず移動すべきですか。

現在地、警報、建物安全、管理者指示、経路混雑、施設開設を踏まえて判断します。一覧掲載は常時利用や収容を保証しないため、建物内の上方避難も含め計画します。

質問6. 地震後は社員をすぐ帰宅させるべきですか。

施設が安全なら一斉帰宅を抑制し、公式情報と個別事情を基に待機・分散帰宅を判断します。危険な建物での待機を優先する趣旨ではなく、人命保護が先です。

質問7. 三日分の備蓄量はどのくらいですか。

東京都資料は目安として一人当たり水9リットル、主食9食、毛布1枚等を示します。シフト、来客、健康配慮、簡易トイレ、保管・配布能力を加えて再計算します。

質問8. ビル管理会社が備蓄していればテナント側は不要ですか。

共同備蓄は可能でも、対象人数、所有者、配布条件、利用順位、鍵、更新責任を確認します。東京都の説明は原則として事業者単位の備蓄を想定しています。

質問9. 安否確認システムの登録人数を在館人数に使えますか。

登録と在館は別です。勤怠、入館、予約、委託配置を突合し、外出者、来客、派遣、夜勤を分けます。個人情報は発災時に必要な範囲で権限管理します。母集団の基準時刻も記録します。

質問10. 一時滞在施設の一覧があれば来客を案内できますか。

開設確認なしに案内しません。災害種別、施設安全、収容、経路が変わるため、港区・東京都や駅周辺協議会の公式情報を受けてから誘導します。次回の情報更新時刻も伝えます。

質問11. 非常用発電機があれば業務継続できますか。

設備名称だけでは判断できません。対象回路、実負荷、燃料、運転時間、起動権限、保守、通信・水・トイレ・昇降の依存を確認し縮退運転を試します。結果を負荷別に保存します。

質問12. 重要業務は売上の大きい順に復旧すればよいですか。

売上順に限定しません。人命安全、顧客保護、期限、契約通知、停止影響と、必要な人・場所・データ・仕入先を確認して最小構成の復旧順を決めます。再判定時刻も定めます。

質問13. クラウド利用なら地域災害の影響は受けませんか。

受けないとは限りません。リージョン、回線、認証、端末、担当者、バックアップ、復元手順が必要です。契約上の二重化と実際の地理・運用分散を分けて確認します。

質問14. 譲渡企業社長が買収後も残れば緊急権限はそのままでよいですか。

新しい会社機関、代表、支出、広報、システム権限と一致させます。譲渡企業の協力が必要なら期間、作業、応答時間、代行を移行契約へ具体的に記載します。

質問15. DDで社員の緊急連絡先を全件開示できますか。

初期は制度、件数、未登録率、訓練応答率などの匿名集計を優先します。個人データの開示は目的、必要性、安全管理、交渉不成立時の削除を専門家と設計します。

質問16. 防災設備不足は全額を価格から引きますか。

一律には引きません。過去の未是正、通常更新、買い手の強化、保険、契約義務、代替能力を分け、価格、条件、補償、100日投資へ一度だけ配賦します。

質問17. BCPの承継完了はいつですか。

新しい責任者と権限で、連絡、点呼、待機、備蓄、縮退、重要業務、復旧を再現できた時です。Day1、30、60、100と段階訓練し重大未達を閉じます。

質問18. 記事内容は将来の安全を保証しますか。

保証しません。公的資料は確認の基準であり、対象住所、建物、災害、在館者、設備は案件ごとに異なります。実行直前に行政・建物・専門家へ再確認してください。

まとめ|BCPをPDFではなく72時間の実行能力として取得する

新橋駅周辺のBCPは、駅の混乱、地下・沿岸側の危険、複合ビル、外回り社員、来客を一つの72時間へつなぐ必要があります。M&Aでは譲渡企業の文書を保管するのではなく、住所別の危険、現物、役割、権限、情報、個人情報、重要業務を新体制で再試験してください。できない項目を価格へ隠さず、是正・契約・保険・投資へ配ることで、買収後の最初の災害に備えられます。

ハザード情報、避難情報、駅周辺運用、消防・防災制度は改定され得ます。実行前には港区、東京都、東京消防庁、建物管理者、保険・法務・労務・情報管理の各担当へ、対象住所と運営実態を示して再確認してください。本稿は一般的な情報提供であり、安全、許可、保険金支払、事業復旧又はM&A成果を保証するものではありません。

ご相談の費用と適用範囲

当センターが譲渡企業様から受け取る相談料・着手金・中間金・月額費用・成功報酬は0円です。外部専門家への報酬、税金、登記・許認可・届出の手続費用、その他実費は対象外で、案件により発生します。買い手企業様の報酬・契約条件は別途ご案内し、契約前に説明します。

自社の状況を、社名を伏せて相談する

売却の決断前でも、希望時期、守りたい条件、気になる点から整理できます。初回の会社名・電話番号は任意です。顧客名や詳細な機密資料は最初のフォームに記載せず、情報管理の方法を確認してからお伝えください。

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目次
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